ダムに沈み年に一度だけその姿を現すゴアの村、まもなく再び水没

 

Posted on 18 Jun 2019 21:00 in トラベル・インド by Yoko Deshmukh

写真は湖底に村が眠るダムです。From Wikimedia Commons.



美しい浜辺と、ポルトガル領時代の名残を色濃く残す街並みで知られるゴア州。
中でもクルディ(Curdi)という名の小さな村は、知る人ぞ知る「秘境」となっているようだ。
この村は、普段はダムの底に沈んでいるが、モンスーン直前の5月の、ごく短期間だけ、湖底から姿を現すのだ。
「The Hindu」が伝えていた。

Tourists throng Goa’s Curdi village that remains submerged for 11 months in a year

この時期になると、国内外からやってきた観光客だけでなく元住民たちも、シヴァ寺院とともに沈んだ村の出現を待つ。
ひとたびモンスーンが到来すると、村はたちまち水の中に消えてしまうので、その前にシヴァ神を崇める祭事を行う。

クルディ村はゴア州南部の西ガーツ山脈に抱かれた場所にあり、かつて600世帯が暮らし活気に満ちていた。

しかし、ポルトガルから独立後の1970年代に、近隣のサラウリム(Salaulim)川が流れ込むこの地に、ゴアを潤す水資源を確保するためのダムを建設する計画が持ち上がると、住民たちは生まれ育った村を犠牲にすることに合意した。



 

ちなみにこのサラウリム・ダムは、満水に近い時期も相当な景勝地と見られ、Google画像検索だけでも圧巻だ。

selaulim dam goa - Google Images

公式な記録によると、ダムの建設は1976年に開始し、2000年に完成、実に24年という歳月をかけて建設されている。
元住民の60代の男性によれば、村が水没したのは1986年のことだった。

「我々住民にとって、胸の張り裂けるような瞬間だった。ゴアのために住み慣れた自宅を犠牲にできる人なんて、そういないだろう」
なお、元住民たちのほとんどは、その後近隣の村に移住しているようだ。

州水資源局(State Water Resources Department)によれば、今年は遅れていたプレモンスーンの降雨がようやく観察されるようになり、少しずつダムに水が溜まり始め、村は再び水の中に沈もうとしている。
「雨が10日間でも降り続ければ、村は完全に水没する。再び出現するのは11カ月後だ」

ゴアが大好きなわたしなのに、この村の存在は知らなかった。
わたしたちの今の生活は、たくさんの犠牲と引き換えに成り立っていることがあるのだと言うことを思い出させてくれる記事だ。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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