清掃努力が実り、ムンバイーの海岸に20年ぶりにヒメウミガメ帰還

 

Posted on 27 Mar 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

海洋汚染をなすがままにしている人たちばかりではないのです。



今月20日の早朝、アラビア海に面したムンバイー中部のヴェルソーバ・ビーチ(Versova Beach)に、ヒメウミガメ(英名:Olive Ridley Turtle)およそ80匹が上陸した。

ヒメウミガメがこの付近の海岸に戻ってくるのは、実に20年あまりぶり。
長年に渡る清掃活動の努力が実った成果であり、歴史的な瞬間として、地元では大きな話題となっている。
「The Hindustan Times」電子版が伝えた。

Olive Ridley turtles hatch at Mumbai’s Versova beach for the first time in 20 years - Hindustan Times



 

日本大百科全書によると、「ヒメウミガメは太平洋、インド洋および南大西洋の一部の熱帯に分布する小形のウミガメで(中略)卵が古くから食用にされてきたため資源の減少が著しい」とあり、国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature:IUCN)により絶滅危惧種に分類されている。
世界最大の繁殖地はオディシャ州沿岸とされている。

かつて格好の産卵地だったヴェルソーバ・ビーチから、ヒメウミガメの姿が消えてから20年近くが経った近年、地元有志らが、主に有害なプラスチックごみや海岸に漂着する家庭ごみから発生する汚染物質などを、2年以上前から丁寧に清掃してきた。
以来2年間、126週間でプラスチックを中心としたごみ、実に1,300万キログラムを回収したという。

現地では今後、保護センターを設置し、引き続きヒメウミガメの繁殖地としての環境保全に取り組んでいくとしている。

アラビア海沿岸ではヴェルソーバ・ビーチのほか、マハーラーシュトラ州ヴェラス(Velas)、アンジャルレ(Anjarle)、ハリハレシュワル(Harihareshwar)、マラール(Maral)、ディヴェアガル(Diveagar)などの海岸でヒメウミガメが確認されている。





        



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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