インド政府、2030年までに航空燃料へのSAF混合率5%を義務化する方針案

 

Posted on 06 Nov 2026 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

インドの積極的なバイオ燃料利用は、記憶が正しければ20年以上前からずっと試みているよね。



「Business Standard」紙で、「Draft green aviation fuel plan mandates 5% blending by ’30」という記事を見つけた。

インド民間航空省(Ministry of Civil Aviation、MoCA)が策定した政策案によると、インド国内の空港を出発する国際線について、2030年までに燃料供給業者が従来の航空タービン燃料(Aviation Turbine Fuel、ATF)に持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、SAF)を少なくとも5%混合することを義務付ける方針だ。

使用するSAFは、インド国内で製造されたものに限定される。

同紙が入手したSAFに関する国家政策案は、まだ一般からの意見公募に付されていない。

政策案によると、SAFとは、農業残渣や使用済み食用油などの生物由来の原料、再生可能エネルギーによる電力と二酸化炭素を利用して製造したグリーン水素を組み合わせた合成燃料、廃棄物から回収した炭素などを原料として製造できる航空燃料を指す。

これらの燃料は、所定の技術基準と持続可能性に関する基準を満たす必要がある。

同紙が得た情報によると、政策案では、航空会社に対し、年間燃料調達量の少なくとも90%をインド国内の空港で調達することを義務付け、違反した場合には罰則を科す一方、国内のSAF生産を促進するための財政的優遇措置を設けることも盛り込まれている。

政策案では、国際線向けの従来型ATFへのSAF混合率について、2027年に1%、2028年に2%、2029年に3%、2030年に5%と、段階的な義務化を提案している。

さらに、2031年には6%、2032年には8%、2035年には10%、2040年には20%へと混合率を引き上げることも検討されている。

ただし、2030年以降の目標は現時点では提案段階にとどまっており、2031年以降の10年間に適用する義務的な混合率については、今後設置することが提案されている「SAF国家評議会(National Council on SAF、NC-SAF)」が決定する予定だ。

政策案では、インド国内で製造されたSAFのみを使用することを義務付けている。

石油販売会社を含む燃料供給業者は、空港への供給に先立ち、生産施設、製油所、または中間貯蔵施設でSAFとATFを混合する責任を負う。

導入初期段階では、燃料供給業者は、自社が供給する空港ネットワーク全体で年間の混合義務を達成することが認められる。

政策案では、次のように述べられている。

「SAFに対する需要の確実性を確保するため、インド国内外の航空会社が運航する定期国際線について、年間の当該区間の航空燃料の少なくとも90%をインド国内の国際空港で給油することを義務付け、いわゆる『エコノミック・タンカリング(economic tankering)』を回避することを想定している」

エコノミック・タンカリングとは、航空会社が燃料価格の高い目的地での給油を避けるため、燃料価格の安い外国の空港で必要量以上の燃料を搭載する行為を指す。

インドの航空会社が運航する国内線については、この90%の給油義務の対象外となる。

また、航空会社は、各空港における実際の燃料使用量を詳述した年次報告書を提出する必要がある。

これらの報告書は独立した検証機関によって審査され、その結果が民間航空総局(Directorate General of Civil Aviation、DGCA)に提出される。

人道支援、医療、緊急対応を目的とする航空便は義務の対象外となる。

また、チャーター便、臨時便、季節運航の国際線についても、義務の免除または要件の緩和が認められる可能性がある。

政策案では、さらに次のように述べられている。

「航空市場における公正な競争条件を確保し、国の気候変動対策に関する目標を順守するため、本政策では、義務を履行しない航空燃料供給業者および航空機運航事業者に対する罰則を想定している。罰則の水準は、違反によって生じた環境被害と、市場の公正な競争条件に及ぼした影響に比例するものとする」

罰金額については、まだ具体的に定められていない。

民間航空省は、石油・天然ガス省(Ministry of Petroleum and Natural Gas、MoPNG)と協議した上で、関連規則を策定する方針だ。

また、政策案では、SAFの生産、混合、供給、消費を追跡するため、DGCAの下に一元化されたデジタル管理システム「国家SAF登録制度(National SAF Registry)」を設置することも提案している。

 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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