米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)は2日、年2回の注射でHIV感染を予防できる薬剤「レナカパビル(lenacapavir)」について、インド製のジェネリック医薬品(後発医薬品)を暫定承認した。
これにより、低・中所得国120カ国で、同薬を安価かつ迅速に利用できるようにするための大きな一歩となった。
この発表は同日、製造元のインドの製薬大手ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ(Dr. Reddy’s Laboratories)と、同薬の開発加速を支援した国際保健機関ユニットエイド(Unitaid)、クリントン・ヘルス・アクセス・イニシアチブ(Clinton Health Access Initiative、CHAI)、および南アフリカのウィットウォーターズランド大学に属する保健研究機関Wits RHIによって行われた。
今回承認されたジェネリック医薬品は、米製薬大手ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)が開発したレナカパビルの後発品で、先発医薬品は「Yeztugo」の商品名で販売されている。
レナカパビルは、HIVに感染していない人が感染リスクを減らすために使用する曝露前予防薬(Pre-Exposure Prophylaxis、PrEP)であり、ワクチンとは異なる。
従来の毎日服用する経口予防薬に代わり、半年に1回の注射で感染予防効果を持続させることができる。
ジェネリック医薬品は、Unitaid、CHAI、Wits RHIが資金面、技術面、規制面から支援する合意に基づき、Dr. Reddy’s Laboratoriesが開発した。
関係機関は、同薬の開発を加速させ、手頃な価格で利用できるようにすることを目指していた。
2025年9月に発表された4組織間の合意では、ギリアド・サイエンシズが認めた自主的ライセンスの対象となる低・中所得国120カ国において、レナカパビルのジェネリック注射剤を1人当たり年間40米ドルで供給することが取り決められた。
また、今回のFDAによる暫定承認は、2025年6月に先発医薬品がHIV感染予防薬として承認されてから、わずか約16か月で実現した。
ただし、暫定承認は先発医薬品の特許保護などが継続している段階での承認であり、米国内での一般販売を認めるものではない。
一方、米政府による調達を可能にするとともに、対象国での規制当局による承認手続きを進める上で重要な意味を持つ。
関係機関によると、ジェネリック医薬品の初回供給は2026年末までに始まる見通しで、2027年には、より広範な供給が予定されている。
なお、今回の公式発表では、ジェネリック製品は「レナカパビルのジェネリック注射剤」と表記されており、独自の商品名は記載されていない。

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