メモリーチップ不足により、各ブランドがスマートフォンの各価格帯で相次ぐ値上げを余儀なくされる中、もともと利益率が最も低かった低価格帯は、存続の危機に直面している、という話題を、「The Hindu」はじめ複数の新聞が伝えていた。
Is memory chip crunch wiping out ₹10K smartphone market in India?
IDC*の推計によると、昨年出荷された1万ルピー(およそ100ドル)未満のスマートフォン約1億7,300万台が属する市場が、存続の危機に直面している。
2026年第2四半期(Q2)、100ドル未満のスマートフォン市場は前年同期比(YoY)で約60%減少した。
この減少傾向は今年いっぱい続くと予想されている。
IDCによると、メモリー価格は高騰しており、前年同期比で300%以上上昇しており、この傾向は2028年まで続くと予想されている。
スマートフォンメーカーは最終的に、コスト負担を抑えるために中価格帯やプレミアム価格帯へと移行し、市場は販売台数よりも金額ベースで成長することになる。
「現在、1万ルピーのスマートフォンを作るには、まず4,000~4,500ルピー相当のメモリーを購入し、その上でディスプレー、SoC、カメラ、バッテリーなどのBoM(bill of material、部品表)を調整し、さらに利益を確保する余地も作らなければならないが、これは極めて難しい。したがって、誰かが赤字で販売するか、ビジネスモデルを変更しない限り、1万ルピー未満のカテゴリーが完全に消滅しようとしていると言っても間違いではない」と、Counterpoint*のリサーチ責任者、Tarun Pathak氏は話す。
同氏は、この市場が今後18カ月間、極めて大きな圧力にさらされると付け加えた。
同市場のシェアは2025年第2四半期の19%から、2026年第2四半期にはわずか4%まで低下し、販売台数は前年同期比81%減少した。
1万~2万ルピーの市場も7%減少している。
値上げを受け、一部の端末が2万ルピーを超える価格帯へ移行しているためだ。
これにより、低価格スマートフォン市場は徐々に形を変えつつあり、消費者は仕様面で妥協するか、より優れた端末を手に入れるために予算を増やさなければならなくなっている。
「1万ルピー未満の市場は単に圧力を受けているだけではない。リアルタイムで消滅しつつある」と、IDC India/SEAのシニアリサーチマネージャー、Upasana Joshi氏は話す。
「ブランド各社は、メモリーチップ価格の上昇分を自ら負担する代わりに、モデルの投入を減らし、販売チャネルへの支援を縮小することで対応している」
顧客が、より優れた通信接続や生成AI機能を利用できるスマートフォンへの買い替えを求めている一方で、スマートフォンメーカーは4Gスマートフォンを再び投入している。
「複数のブランドが、この価格帯での足場を維持するための一時的な措置として4Gモデルを再投入したり、販売期間を延長したりしており、その結果、今四半期の4Gのシェアは11.1%まで上昇した。しかし、これは緩衝材であって、解決策ではない。既存の在庫がなくなれば、これほど安価な端末を提供し続ける余地はほとんど残されていない」とJoshi氏は指摘する。
「つまり、これまでなら1万ルピー未満のスマートフォンを購入していた消費者が、現在は古い端末をより長く使い続けるか、中古品や整備済み品を選ぶようになっている。この市場が再びシェアを取り戻せるかどうかはメモリー価格が下落するかどうかにかかっているが、2026年の残りの期間に状況を変えられるほど早く価格が下がる可能性は低い」
財布への負担が少ない代替手段を求め、消費者は整備済みスマートフォン市場へと向かっている。
かつては組織化されていなかったこの市場は現在、消費者が割高な価格を支払うことなく、端末を買い替えたり、より上位のモデルへ移行したりするための選択肢を提供している。
「予算を重視する消費者にとって、整備済みスマートフォンは検討に値する選択肢になりつつある。
新品端末の価格が上昇する中、以前なら十分な仕様を備えたスマートフォンを購入できた予算でも、現在では新品のエントリーレベル端末にしか届かない場合がある。
一方、整備済みスマートフォンであれば、同程度の価格で、より優れたチップセット、カメラ、5G性能を備えた上位クラスの端末を入手できる」と、Cashify*の共同創設者、Nakul Kumar氏は話す。
同氏は、信頼性の向上がこの動きを加速させていると主張する。
企業が標準化された品質検査、透明性のあるグレーディング、保証、返品制度を提供するようになり、購入体験の信頼性と予測可能性が高まっているという。
低価格スマートフォン市場は現在も最も大きな影響を受けており、その影響は短期的に続くと予想されている。
市場が徐々に中価格帯やプレミアム価格帯の端末へと移行する中、低価格帯は選択肢が減り、低迷することになる。
スマートフォン価格の上昇が続き、低価格帯の新製品投入が途絶えれば、需要に対応するため、市場では4Gスマートフォンが増えることになる。
その結果、5GスマートフォンやAI機能を搭載したスマートフォンは高価になる。
インドの消費者には2つの選択肢がある。古い端末を使い続けるか、整備済みスマートフォンを購入するかだ。
しかし、この価格帯では分割払いなどの資金調達手段はほとんど利用できない。
チップセットとメモリーの価格が高騰する一方、スマートフォンメーカーの利益率が縮小する中、この市場は少しずつ消滅へと向かうことになる。
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*IDC: 情報技術(IT)や通信、デジタル市場などを対象に調査・分析を行う市場調査会社。
*Counterpoint: スマートフォンや通信、テクノロジー分野などを対象に市場調査・分析を行う調査会社。
*Cashify: 中古・整備済みスマートフォンなどの買い取り、販売を手がけるインドの企業。

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