「インドの田舎者」という決めつけは禁物:ラーダちゃん東京訪問記
Posted on 28 Jun 2016 23:00 in トラベルASKSiddhi by Yoko Deshmukh
自分の新しい面を発見したければ、旅をしよう、
マハーラーシュトラ州アコラという田舎町で生まれ育ち、旅行以外には一度もこの町を出たことがなく、ましてや海外など初めてだったラーダちゃん。
これまでは母の快い許しを得て、実家である福岡県福津市に滞在させてもらっていたが、日曜日から4泊5日の日程で東京に引っ張り出した。
その東京での日程も残りわずかとなった本日までに、わたしはラーダちゃんの意外な面をたくさん発見している。
もともと来日前後にかけて、箸の使い方から、自分の使ったものは自分で片付けること、汚したものは自分できれいにすること、といった、日本における最低限のマナーを一通り説明していたのだが、いずれも一度言えばすぐに理解し、行動できる子だった。
東京を訪問するにあたっては、「慌てたり、あせったりする必要はないが、地下鉄や電車に乗るときや、往来の激しい大型の商業施設などでは、前後から人がひっきりなしにやってくるから、そういう人たちを配慮し、意識に入れた行動を取ること」というアドバイスのみをしておいたところ、わたしから見れば、ほぼ完璧に、まるで何度も来たことがある人のようなスマートな振る舞いができた。
そればかりか、たくさんの荷物を抱えていれば、さっと持ってくれたり、3人分となると面倒なICカードのチャージは、やり方をすぐに覚えて、代わりに行ってきてくれたりと、とてもよく気のつく子だ。
これらのことは、ラーダちゃんを幼いころからよく知っているはずだったわたしにとっては、意外な一面を知る大きな驚きと発見の機会となった。
そして、「インドの田舎から来ている子」と決めつけ、先入観で接することをしないでよかったと、改めて思った。
夕食時には、伯父にあたるシッダールタさんが会食などのために不在のことも多かったため、2人でホテル近くの居酒屋やレストランなどでゆっくり食事をしながら、将来のことなど、いろいろな話をした。
そうした会話の中からも、ラーダちゃんが冷静に、しかし確実に、自らの周囲や世の中のことを観察していることを窺い知ることができた。
福岡の片田舎では体験しないような人の波、しかもそれが相互に相容れない一定の秩序をもってうごめく東京。
近年は多くの外国人観光客が訪れていることも一因としてあるのか、若いラーダちゃんの驚異的かつ柔軟な適応力もおかげして、それほど大きなストレスなく満喫できている。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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