チャトニーという「小皿」から読み解くインド料理の多様性

 

Posted on 04 Feb 2026 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

おいしそうなチャトニーとドーサは、近所の「Kalyani Tiffin Room」のものです。



日々の食卓に欠かせない「チャトニー(chutney)」の世界を紐解く新刊を紹介する記事を、「The Hindu」に見つけた。

This book deep dives into India’s chutney traditions through stories, recipes and memory

インド各地には、パパドやアチャールをはじめ、主菜を引き立てるさまざまな付け合わせがあるが、中でもチャトニー(チャツネ)の奥深さは言うまでもない。
デヘラードゥーン在住の作家であり、料理評論家でもあるルシーナ・マンショー=ギルディヤル(Rushina Munshaw-Ghildiyal)氏が、その著書『Chutney: A Compendium of Stories and Recipes』で、この多層的な食文化に光を当てている。

本書は、120名を超える郷土料理の専門家が共同で執筆したもので、
40以上のエッセイやストーリー、そして「地域的、文化的、伝統的、さらには現代的な文脈におけるチャトニーの重要性」に迫る230以上のレシピで構成されている。

ジャンムー・カシミール地方のチェティン(tchetin)、タミル・ナードゥ州のトガイヤル(thogaiyal)、ケーララ州のチャマンティ(chammanth)、マハーラーシュトラ州のテーチャ(thecha)、ラージャスターン州のラウンジ(launji)、西ベンガル州のトーク(tok)など、インド全土に広がる多様なチャトニーを網羅した、いわば「チャトニー地図」とも言える内容である。

著者によると、チャトニーの研究は多方面にわたり、「学術的調査、アーカイブ的整理、口頭証言の記録、そして物語としての語り」を等しく含むものとなっている。

「インド料理は100キロごとに変化する」という決まり文句は真実であると、著者は付け加える。
「本書の執筆を通じて学んだことがあるとすれば、それはインド料理を体系化したり、標準化したり、テンプレート化したり、ましてや厳格な枠の中に閉じ込めようとすること自体が“犯罪”だということだ。それは、本能で料理することを教えてくれた先祖たちへの罪であり、根本的に個人の表現と個々の嗜好に基づく料理の精神そのものに反する行為なのである」
 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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