薪の消費を3分の1に削減: ウダイプルで広がる高効率クリーン調理ストーブ
Posted on 15 Oct 2025 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
いつかマハーラーシュトラ州アコラ郊外にある、「直火を使って村の味を演出する」レストランを訪れたとき、厨房のあまりの煙たさにむせたことを思い出しました。
ラジャスタン州ウダイプルで女性が経営する企業が、クリーンテクノロジー・モデルとして農村部の家庭に供給する環境に配慮した調理ストーブが、数千トンの薪使用を節約しているという話題を「The Hindu」で見つけた。
Eco-friendly cookstoves are making a revolution in Udaipur’s remote areas
供給しているのは地域の農業生産会社「Udaipur Urja Initiatives(UUI)」で、伝統的な泥や石でできたストーブに代わる高効率クリーン調理ストーブとして注目されている。
同社は女性起業家400人のネットワークを構築し、約6万5,000世帯に調理ストーブを提供している。
単口式(シングルバーナー)クリーン調理ストーブは、効率的かつ完全燃焼の原理に基づいて開発され、木材、農業残渣、乾燥糞尿などあらゆる固形燃料を使用できる。二酸化炭素、一酸化炭素および有害な微粒子の排出を最小限に抑える設計となっている。
新・再生可能エネルギー省(Ministry of New and Renewable Energy)およびインド規格局(Bureau of Indian Standards)の認証を受けている。
定格熱効率は30%以上で、従来の泥炉または三石ストーブと比較して調理時間を半分に短縮し、必要な薪をおよそ3分の2に削減する。
現在、グジャーラート州バドーダラーにある「グリーンウェイ・グラミン社(Greenway Grameen)」の工場で製造されている。
UUIの最高経営責任者(CEO)サウミヤジット・アウッディ(Saumyajit Auddy)氏は「The Hindu」に対し、同社はウダイプール県とサルンバール県の8つのテシル(tehsil=行政区分)にまたがる300以上の僻村で事業を展開していると語った。
この地域に暮らす指定部族のビル(Bhil)、ミーナ(Meena)、ガラシヤ(Garasiya)は、伝統的に女性たちが森から調理用の薪を集めていたが、起伏の多い丘陵地帯を長距離移動する危険な日常に加え、森林権利法(Forest Rights Act)の施行をめぐる煩雑な手続きにより森に入ることが難しくなり、過去5年間で4~5倍に値上がりした市場で薪を購入せざるを得なくなっている。
ウダイプールのゴグンダ地区に住む女性は、新しい調理ストーブのおかげで毎日の調理時間が2時間短縮され、「もう市場で薪を買う必要もない。家の周りにある小枝や落ちた枝で十分すぎるほどだ。毎月1,000ルピー節約できる」と語る。
修理の必要性が最小限であることも特徴的だ。
バグドゥンダ村でプロジェクトのモニターを務めるガブリ・バイ(Gavri Bai)さんは、過去4年間に240台の調理ストーブを供給したが、軽微な修理が必要だったのはそのうち30台に過ぎなかったと語った。
ジャドル地区ゴダワラ村の女性は、家族のために食事を作るとき、目の刺激に耐えたり、咳き込んだりすることがなくなったと話した。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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