(昨日の続き。)
シーロンから曲がりくねった細い山道を下って80キロメートルあまり、バングラデシュ国境の町ダウキー(Dawki)に来ると、むっとした蒸し暑さに全身から汗が噴き出す。
商店はこちらも女性が切り盛りしているところが多く、Tシャツと短パンに肩から伝統衣装のジャインセン(Jainsen)をまとっている姿が新鮮で、かっこよかった。
インドはバングラデシュと、アッサム州、西ベンガル州、ミゾラム州、トリプラ州、メガラヤ州(450キロメートル)の5州で総延長4,000キロメートルほどにもわたる国境を接している。
Wikipedia(ウィキペディア)によると、ダウキーでは多いときで、1日に輸出用石炭を積んだトラック500~800台が越境する。
国境は川(Dawki River、Umngot River)を境に引かれている場所と、そうでない場所がある。
特にダウキー橋(Dawki Bridge)を渡ってすぐにあるボート乗り場周辺は、石だらけの河原をそのまま道なりに進んでいくと国境線になっているため、ふざけて越えようとする人を見張りの軍人()が笛を鳴らして警告する。
さらに透明な川面をウリにしたボート遊びは、水深が浅いこともありインド側だけでなくバングラデシュ側でも観光メニューとして運営されており、川の真ん中に引かれた国境をうっかり越えてしまう形での不法越境が絶えないという。
参照: Dawaki migration route Bangladeshis into India - I(Arunachal Observer)
バングラデシュは南アジアにおけるインド最大の貿易相手国であり、かつインド観光産業への最大貢献国の1つであり、在バングラデシュ・インド高等弁務官事務所(Indian High Commission in Bangladesh)によれば、年間100万件を超える観光ビザを発行、これは世界中のインド大使館が発行するビザの件数と比較して最も多い。
観光ビザ取得者の大部分は、陸路でインドに入国する。
周辺諸国はBBIN(Bangladesh、Bhutan、India、Nepal)圏と呼ばれ、特にバングラデシュとインドは自動車協定(BBIN-Motor Vehicle Agreement、MVA)に署名している。
この協定が機能するようになれば、国境を越えたものも含め、指定されたルートを経由してBBIN地域内の加盟国から車両を制限なく移動できるようになる。
バングラデシュからの輸入の75%、輸出の50%を、陸上間輸送が占めている。
ダウキーは、メガラヤ州西ジャインティア丘陵(West Jaintia Hills)県に位置し、州都であり国内で屈指の観光地であるシーロンから、およそ84キロメートルの距離にある。
このためダウキーは、北東インドの重要な陸上国境検問拠点となっている。
この国境を越える人のほとんどはインド人またはバングラデシュ人だが、第三国の国民の出入国も可能となっている。
国境を越えたバングラデシュ側は、シレット(Sylhet)県タマビル(Tamabil)となっている。
参照: Integrated check-posts on the India-Bangladesh border - A field survey and brief analysis
(明日に続く。)

ボート乗り場と言っても客引きのパラソルがあるだけ。
商売熱心な人はダウキー橋の手前ぐらいから
通りかかる車両を止めて呼び込みしていた。
左上の高台(インド国旗が掲げられているところ)に、
軍人さんの見張り所。

河原の、向かって右斜め前方に進むと国境がある。

ボート乗り場前に並ぶキオスク的な屋台でパイナップルを購入、
その場で剥いていただく。
水分たっぷりで甘くて、最高においしかった。
働く女性たちがことのほか元気だったのが印象的だった。

国境線までの緩衝地帯では、ウシさんたちがのどかに草を食んでいた。
手前のフェンス上に張られた有刺鉄線は通電している。
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