インド系研究者グループ、水を使わず光だけで汚れを分解する画期的な洗濯技術を開発

 

Posted on 27 Mar 2016 23:00 in 海外のインド人 by Yoko Deshmukh

わたしたちがあくせくし、ちょっとした不便に途方に暮れている間に、明晰なる頭脳を持つ人たちがコロンブスもびっくりするような卵を生み出しています。



*The photo from a copyright-free space.

本格的な夏の到来を目前に、プネの水不足はいよいよ深刻化している。
今年は、例年3月末ごろに期待できる「マンゴー雨」と呼ばれる一時的な雨さえも、まだ見られない。
本当に6月のモンスーン到来とともに、十分な恵みの雨が訪れてくれるのだろうかと、不安は募る。

そんな中、オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT University)で、インド系研究者を中心とする研究グループが、光に曝すだけで衣類に付着した有機汚れを分解するナノ構造を、安価な方法で開発できる技術を発表した。

Soon, clothes that can clean themselves with light

ラジェッシュ・ラマナサン(Rajesh Ramanathan)氏によると、この画期的な技術を用いると、衣服を太陽光や電球に曝すだけで、光の力を借りて数分以内に自力できれいになるという。
「繊維製品は、顕微鏡写真で見るまでもなく三次元構造をしているため、光の吸収に優れており、有機物の分解速度を飛躍的に向上する余地がある」ラマナサン氏。

実用化に向けては、まだまだ道のりは長そうだが、水がなくても衣服をきれいにできるようになれば、大量の水を消費する洗濯機が不要となる時代も、そう遠くはないかもしれない。

今回の発明は、可視光を吸収する力があることで知られる銅や銀を基盤とするナノ構造体の作用に注目したもの。
ここでのナノ構造体は光に曝すとエネルギーを高め、高温の電子を作り出し、これがさらにエネルギーを放出して有機物を分解するという仕組みだ。
現在は工業化に向けての試行錯誤の段階だが、繊維製品の上で直接ナノ構造体を整調させたところ、わずか6分以内に汚れを分解したものもあったという。

「特にワインのシミや食品の汚れなど、日常的な衣類汚れを、どのぐらいの分量の構造体が、どのぐらいの時間をかけてきれいにできるか実験を繰り返している」ラマナサン氏は説明している。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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