国立国語研究所プラシャント・パルデシ教授、プネーで講義

 

Posted on 26 Jan 2018 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

なかなか得難い機会だったので、参加して本当によかったです。自分でも、じっくりと勉強してみたい気持ちになりました。



1月23日、プネー旧市街にある大学校舎、TMV(Tilak Maharashtra Vidyapeeth)内の講義室にて、プネーで主にマラーティー語を母語として日本語を勉強する人々を対象に、日本の国立国語研究所に所属し、言語学を研究され、現在インド各地とスリランカ、バングラデシュを周る出張公演の途上にあるプラシャント・パルデシ(Prashant Pardeshi)教授による日本語学(類型論)のオープン講義があり、聴講してきた。

パルデシ氏のことは、2016年9月に福岡で受講した「博多で翻訳勉強会」において講師として登壇された深井裕美子さんが、翻訳者に役立つ資料を詳しく解説されていた中に「NINJAL-LWP」が出てきたことで初めて知り、しかもインド名だったため余計に関心を寄せていた。

プラシャント・パルデシ氏の著書:
日本語コーパス活用入門: NINJAL-LWP実践ガイド - Amazon

プネーでの講義では、主に日本語学習者を対象としていたために、英語とマラーティー語を交えた説明をされていたが、スライドはほぼ全内容が日本語だったので、まったく困ることはなかった。
さらに各席には、ボランティアによる講義内容のマラーティー語訳プリントが配布される親切さ。

パルデシ氏は深い言語の森への誘いとして、主に日本語とマラーティー語の温度形容詞を比較しながら、気候的要素が表現に与える影響などについて、非常に分かりやすく説明してくださった。 
スライドの要点は、後から復習できるように、スマートフォンのカメラで撮ってある
個人的に大変興味深い内容で、2時間は一瞬のうちに過ぎてしまった。

しかし講義後は別の用事があったために、パルデシ氏にはもちろん、会場の方々とゆっくりお話ができなかった。
唯一、現在TMVの日本語学科に学部生として通うラーダちゃんが授業でお世話になっている、国際交流基金派遣の日本語講師、平賀先生には、なんとか初めてのご挨拶が叶った。

ところが、この短時間に失態もやらかしてしまった。
若くして最近、マラーティー語の博士号を取得したという偉大な日本人女性も出席されていたのだが、人違いで「おー、久しぶり」といった調子で馴れ馴れしく話しかけ、冷静に「初対面ですが」と返されて青ざめた。
幸い、とても気さくで優しい方だったので救われたが、実はこの方もラーダちゃんの先生だというから、2人に対して申し訳ないことをした。

TMVで学ぶ留学生も含めて、日本人聴講者も1割ぐらいいた。

帰り際には、日本語を個人で学んでいるという現在VIIIスタンダード(8年生、中学生ぐらい)の少女から電話番号を聞かれ、後日さっそく電話がかかってきて、日本語の勉学を続ける方策について尋ねられた。
プネーの日本語学習熱は、相変わらずかなり高い温度を保っているようだ。





        



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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