ベンガルールで試験導入される警報アプリと、モンスーンの思い出

 

Posted on 11 Jun 2018 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh

モンスーンは心躍る季節であると同時に、恐ろしい災害の季節でもあります。



※コレガオンパークのモール「Nitesh Hub」内フードコートよりムラームター川を望む。
 

本格的なモンスーン到来を前に、カルナータカ州ベンガルールでは、豪雨による浸水地域やこれに伴う交通渋滞を通知するスマートフォンアプリの運用が始まった。
「The Times of India」電子版が伝えた。

Coming soon: App which will send flood alerts during rain - The Times of India

記事によれば、カルナータカ州自然災害監視局(Karnataka State Natural Disaster Monitoring:KSNDMC)とインド科学技術大学(IISc)の研究者らが共同で、モンスーン期間に必要な情報をユーザーに届けるスマートフォンアプリを構築すると発表している。

市内各所にテレメーター式雨量計を設置して降水量を測定し、特定の地域で設定値以上の雨量が観測された場合、サーバーに自動アラートを送信、アプリの運営・管理者のもとにはテキストメッセージが送信され、情報の分析後にユーザーのもとに警報が自動配信される。

このプロジェクトの成果を見て、国内10箇所の主要都市にも順次導入していき、モンスーンの降雨が引き起こした洪水による犠牲者をなくすことを目指す。

モンスーンのもうひとつの思い出と言えば、まだ会社勤めをしていた2008年から2010年ごろの話。
雨期真っ只中のある晩、プネー西部アウンド(Aundh)にあった勤務先から当時は運行していた通勤バスで、ドロップポイントに向かっていた。
車内ではいつも通り、乗り合わせた同僚たちとボリウッドのヒットソングを大音量でかけてのカラオケ大会に興じていた。

いつも通るプネーの名門技術大学、カレッジオブエンジニアリング・プネー(College of Engineering, Pune:COEP)前の道路に差し掛かった時だった。
突然、バスが停車し、運転士が「ここから先には進めません」と弱り顔で振り返る。
見るとわたしたちが乗るバスの前に、大きな池が広がっている。
午後の大雨で大通りに水が溜まり、一向に引かないのだ。
周囲を見渡すと、強硬して池に突っ込んだとみられる乗用車が、エンストを起こして立ち往生していた。

後方にはパニック状態となった交通渋滞が迫り、前方には池。
帰宅するためには、その先にある長い橋、サンガム・ブリッジ(Sangam Bridge)を渡らねばならない。



 

途方に暮れるバス運転手の勧めに従い、わたしたちはバスを降り、全員で手を繋いで一緒に「池」を渡ることにした。
水は、深いところでは膝上くらいまであったと思う。
恐ろしかったが、励まし合いながら、ようやく水のない橋まで辿り着くことができ、そこからそれぞれの自宅まで、同じ方向の人同士でオートリクシャーに分乗、帰宅できたのは会社を出てから3時間以上経ってからだった。

あれからしばらくは、当時のメンバーで「1周年」、「2周年」などと思い出しては笑っていた。
そして、笑える状況で済んでよかったと、会社を辞めてかなり経った今でも、思い出してはしみじみとしている。





            



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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