完全に土に還る生分解性の安価なサニタリーナプキン、5月に発売

 

Posted on 09 Mar 2018 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

こういう分野こそ、いわゆる「技術大国」の日本がその腕を発揮できた分野なのに、と忸怩たる思いもあります。



昨日は国際女性デー(International Women's Day)。
日本では桃の節句、雛祭りの直後だからか、知っている人が少ないが、インド、特にわが街プネーでは、この日前後にレストランやバーなどに出掛けると、女性への特別なサービスなどが用意されていたり、プネーに各種存在するソーシャルクラブでは「Women's Day」イベントが開催されたりして、プチ祭り感を楽しめる。

個人的には、わが家に午前中、お掃除とチャパーティー作りのために1時間ほど出入りしてくれているマウシ(おばちゃん)に、ちょうど不在だったとは言え何もしなかったことを悔やんでいる。
明日、ちょっとした贈り物でもしようかな。

そんな国際女性デーに、「India Times」電子版が、完全に土に還るため環境に配慮していると謳う生分解性サニタリーナプキンを紹介していた。

On Women's Day Government Launches Biodegradable Sanitary Pads Suvidha At Just Rs 2.50 - India Times

インド医薬品省(Department of Pharmaceuticals)が開発し、国際女性デーの昨日発表した、100%生分解性のサニタリーナプキンは、商品名を「Suvidha」といい、1枚2.5ルピーだ。
実際に流通が始まるのは、世界月経衛生デー(World Menstrual Hygiene Day)にあたる今年の5月28日としている。

アクシェイ・クマール(Akshay Kumar)主演の人気映画、「Pad Man」の上映と、それと前後してボリウッドスターなどの影響力のある人たちが、「月経は恥ずべきことではない、女性の体に起こる自然な現象。そしてあなたが生まれたように、命の誕生に必要なプロセス」というメッセージをSNS上などで発信してきた。
しかし実際には、特に農村部などの科学的に正しい教育が行き届きにくい地方では、月経になった女性が価格が高額である点も含めて清潔なナプキンを手に入れることがなかなかできなかったり、使い捨てナプキンを捨てる場所に困るなどの問題が発生している。

実際、出典によると、15歳から24歳までの女性のうち、58%が昔ながらの方法で作られた機能性の低いナプキンを使用し、また農村女性のうちナプキンを使っているのは、わずか48%のみという調査結果もある。
 
「Suvidha」は価格の安さはもちろん、酸化型生分解性(oxo-biodegradable)の素材を使っているので、環境への影響も少ない点が注目されている。
当初は4個入り10ルピーのパッケージで、主に政府が低所得層を対象に医薬品を販売する特別キオスク、「インド首相直営国民皆医薬品供給センター(Pradhan Mantri Bhartiya Jan Aushadhi Yojana Kendra)」で販売されることになっている。

実際、インド国内で現在流通しているサニタリーナプキンのほとんどは、海外メーカー、国内メーカーを問わず化学物質を含んでおり、環境への影響はもちろん、女性によっては気にする人もいる。

そうした背景を受け、インドにも布ナプキンブームが到来している。
実はパンティーライナーは、昨年までの使い捨てのものから布製に移行したのだが、ズボラで、また常に水不足に対するトラウマを抱えるわたしには、サニタリーナプキンは環境への影響を懸念しつつも使い捨ての運用を続けてきた。
「Suvidha」が質のよい商品なのであれば、わたしも使ってみたいな。





        



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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