未来へのパスポート、IITに合格したサモサ売りの若者

 

Posted on 13 Jun 2017 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

インドにおける教育は、どうにもならない境遇から脱する手段としても機能しています。



数日前、イギリスの調査機関による全世界の大学ランキングによれば、IIT(インド工科大学)が総合点としては比較的さえない地位にあるらしいということになっていた。

意外に低かった?世界の大学ランキング200校中のIITの位置は

それでも、多くの有能なインドの若者にとって、IITは憧れの最高学府であり、難関を突破することができさえすれば、輝かしい未来へのパスポートを掴んだも同然だ。
ましてや貧しくとも心ある両親に育てられ、苦労して勉学を続けてきた若者がIITを目指すのは、ごく自然なことだ。

この男の子、モハン(Mohan Abhyas)くんは家が非常に貧しく、小さなころからハイデラーバードに住んでいた最近まで、売り物のサモサ作りを手伝ってきた。
しかし密かに抱いてきた夢は、元大統領で、現在は故人となったアブドゥル・カラム(Abdul Kalam)のような科学者になることだったという。

Boy Who Made Samosas Cracks IIT, Wants To Be Scientist Like Abdul Kalam

そこで来る日も毎日10時間の勉学を続け、両親や祖母、姉妹の協力を得て見事、全国一斉入試IIT-JEEで64位を獲得、合格を手にした。

ただ、インドでの教育は、近年ますます「いかに要領よく試験で高得点を取れるか」に偏重し、一般教養や芸術など、学課に関係はないが、人生を豊かにしてくれる学問は軽視されている点が気になる。
 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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