今年の元日は「Prime Video」日本版で「Stanley Ka Dabba」を鑑賞

 

Posted on 05 Jan 2020 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

スタンリーはもちろん、他の子役それぞれが、とてもいい味を出していました。The image is from The Pucca Critic.



毎年、元日には初詣の後に映画館に出掛けることが、なんとなく恒例となっている。
しかし今年は、実家の近所にある郊外型大規模ショッピングモール内にあるシネプレックスにて、元日時点で公開されていた作品の中に、新年のキックスターターになりそうな、興味の引かれるものが残念ながらなかった。

そこで今年は素直に自宅で、「Amazon Prime」の「Prime Video」で無料で観ることのできる作品の中から、2011年のヒンディー映画「スタンリーのお弁当箱(Stanley Ka Dabba)」を鑑賞することにした。

Stanley Ka Dabba

舞台は比較的生活に余裕のあるミドルクラスの子息らが通っているとみられる、ムンバイーに実在する私立のミッション系小学校(Holy Family School)。

各家庭で子供たちのことを思い、心を込めて作られたお弁当は、万国共通のおいしさだ。
ヴァルマ(Verma)先生でなくても、お裾分けに与りたくなるというもの。

なぜならヴァルマ先生は、典型的な憎むべき悪役そのもののようでいて、実は何か人には言えない深い問題があるのか、いつも空腹を抱え、他の教師や児童たちの弁当を狙っているのだ。

詳しいストーリーはウィキペディア等に譲るとして、この作品はどちらかと言うと支離滅裂な展開のようでいて、伏線がいくつも張られ、その回収が最終的に観る者に委ねられる、という点で後を引く印象を残す。
大人になったからと言って、誰もが相応の分別をわきまえているわけではない。
しかし子供を搾取や使役の対象にしか見ない輩は、いつか大人になるその子供はもちろん、必ず誰かが見ている。

さまざまな事実が一気に明らかになった物語の終わり、スタンリーの未来にわずかばかりの希望を持たせてくれる展開だった。

このヴァルマ先生役は、監督であり制作者のアモーレ・グプテ(Amole Gupte)氏その人が演じていたこと、そしてスタンリー役として、その息子パルトー・グプテ(Partho Gupte)氏がデビュー作として主演していたことを知って、ますます興味深い。

ムンバイーの街並みはそれほど堪能できないが、おいしそうな手製弁当の匂いや、カビ臭い学校の用具室、埃っぽい運動場を、子供に戻って体験できた。
また、神父でもある校長先生や、超美人のロージー先生が結婚した相手の、半端ないイケメンぶりが、真のコスモポリタンであるムンバイーらしさを表していた。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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