体内に銅が蓄積されていき、肝臓や脳などに変性を引き起こしてしまう、ウィルソン病と呼ばれる遺伝性の難病疾患と闘う15歳のカラチ在住のパキスタン人少女を救おうと、ムンバイの人々が立ち上がっている。
NDTVが報じた。
治療には20万ルピーほどの費用がかかるため、少女の姉がソーシャルネットワークを通じて寄付を呼びかけていた。
これに応じたのが、たまたま投稿を目にした、少女とは縁もゆかりもないムンバイの若者やソーシャルワーカー、医師たちだった。
少女と家族は現在、治療のためにムンバイに滞在し、少女はジャスロック病院(Jaslok Hospital)に入院している。
家族によれば、足りない治療代はすべて、ソーシャルネットワークを見た若者からの寄付でまかない、残りは病院が協力している。
「ムンバイで治療を受けることを話した際、親戚にはパキスタン人であることを隠した方がよいと言われました。しかし嘘をつくことを望まず、パキスタン人として治療を希望したところ、思いがけないほどの親切と愛をいただいた。これこそが本当のインド人の姿なのだと、今は心から感謝している」少女の母親は話した。
少女の経過は良好だが、長期間の治療が必要ということで、病院側は「さまざまな機関から資金を調達しており、家族は治療費の心配をしなくて済むよう手配している」と説明している。